2026.09.28
農業
業務効率化で生まれた時間を「組合員との対話」へ。JA東びわこがBakusoku.AIで踏み出した、現場起点のDX推進
JA東びわこ(東びわこ農業協同組合)では、収穫期に農家から持ち込まれる「米の検査等級(ランク付け)」の登録作業において、最大4回に及ぶ紙と手書きの転記作業が業務負担となっていました。
現在、JA東びわこをはじめ全国のJAグループ全体で、業務効率化や地域への価値還元を目指したDX推進の取り組みが活発化しています。そうした中、株式会社日本農業新聞が主催する「JA-DX推進研究会※」では、交流会や毎月のワークショップを通じて様々なデジタル製品が紹介されるなど、JA間のノウハウ共有や先端技術を体験できる場が広がっています。同組合ではこれまでも、アステリアキャンバス社のノーコードアプリ開発プラットフォーム「Click」を活用し、様々な業務のデジタル化を促進してきました。
そうした場の中で、同組合の土居さんは「JA-DX推進研究会」の展示ブースで、AIネイティブ業務プラットフォーム「Bakusoku.AI」を体験。要望を伝えてから、わずか3分でアプリが完成する圧倒的なスピード感を実感し、導入を決定しました。
現在は「Bakusoku.AI」を活用し、現場主導で新たな米検査アプリ「コメ検」を開発。まずは一部の業務・現場において運用を開始した段階ですが、従来の登録作業時間を70%以上削減させるなど、成果が見え始めています。現場の声を素早く取り入れ、細かな要望にもフレキシブルに応えられる開発体制を大きな武器として、今後は対象範囲や他業務への活用を順次拡大していく方針です。
JA-DX推進研究会について
導入背景
- 社会的にも労働力人口や農家(組合員)の高齢化が進んでおり、デジタル化・効率化(DX)の推進が組織全体の大きな方針となっていた
- 紙を中心とした業務により転記作業も多く、手入力によるミスや業務負荷が生じていた
- 従来のシステム開発に付きまとう「費用」や「期間」の壁からなかなかDXが進みにくい状況があった
選定ポイント
- 現場の要望にフレキシブルに応えられる柔軟性があり、現場からの改善要望や使い勝手に関する意見を、その日のうちに反映・修正できる圧倒的なアジリティを備えている
- 直感的な開発が可能で、自力での画面設計に悩むことなく、要望を伝えるだけで瞬時に実用的なアプリが構築できる
- サポート体制やデータベース連携、組織利用に不可欠なセキュリティが担保されている
効果
- 一部での先行運用を開始した米検査業務において、最大4回の転記作業がゼロになり、作業時間の70%以上削減という確かな成果を達成
- 現場の意見を即座にアプリへ反映できるため、職員がストレスなく使えるシステムへと柔軟に改善が進んでいる
- 「コメ検」に加え「組合員訪問地図アプリ」「土づくり資材購買管理システム」など複数のアプリ構築に着手し、創出された時間を「組合員との接点活動」へ充てるための基盤づくりが進んでいる
米の品質検査アプリ「コメ検」
「コメ検」は、米の荷受業務から検査・集計管理までをデジタル化し、現場作業の効率化とデータ一元管理を実現するWebアプリケーションです。
「管理者」「検査員」「荷受担当」の3つの権限別アカウント管理機能を備えています。
システム概要

主な機能
◼︎ログイン画面
職員コードとパスワードによる認証。権限別(管理者/検査員/荷受担当)で表示を切り替え。
◼︎本日サマリー(ホーム)
当日の荷受件数・検査完了数・完了率・未完了数を一目で確認可能。
◼︎組合員検索
氏名・フリガナ・組合員コードによる生産者検索。
◼︎検査結果
複数条件による絞り込み検索。ステータス(検査済み/検査待ち)も直感的に把握可能。
◼︎マスタ管理
品種マスタや検査場、組合員CSVインポートなどを搭載。
◼︎全検査場ダッシュボード
各検査場の稼働状況・荷受/検査実績を一括で集計・監視。CSV出力にも対応。

左:本日サマリー 右:検査結果
広がる業務アプリのプロトタイプ構築
土居さんは「コメ検」の先行運用と並行して、現場の様々な課題に対応するアプリの構築も進めています。
「組合員訪問地図アプリ」
組合員の所在地や訪問履歴を地図上に可視化し、担当者間のスムーズな情報共有と引き継ぎを実現する訪問管理アプリ。権限設定による安全な運用と日報業務の省力化により、属人化の解消を目指しています。

「土づくり資材 購買管理システム」
資材の購買実績や申込書の回収進捗をダッシュボードで可視化する管理システム。CSV一括インポートやアラート表示により、店舗・商品別の状況把握やデータ入力の手間を大幅に削減します。

左:ホーム 右:ダッシュボード
今後の展開と期待する効果

米の品質検査においては、一部運用を開始した段階でありながら、最大4回の転記作業が「ゼロ」になり、作業時間の70%以上削減と転記ミスの抑制という改善が実現できる見込みです。
何より、実際に使う現場の職員から出た要望や使い勝手の改善点に対して、「その場ですぐに、フレキシブルに応えられる」スピード感は、DXを現場主導で定着させる上で最大の武器となっています。
今後は、この先行運用で得られた手応えと改善ノウハウをもとに、検査場の全域展開をはじめ、他業務へのアプリ適用も含めて順次拡大していきたいと考えています。内部業務の効率化によって創出された時間を、組合本来の強みである「組合員との対話・接点活動」へ充てていくことが今後の大きな目標です。
また、全国のJAでは共通する業務課題も多いため、今回作成したアプリや柔軟な開発プロセスは、他組合にとっても有効なモデルケースとなります。各組合が個別に開発するのではなく、こうした先行事例を共有しながら横展開を進めることで、JAグループ全体の持続可能なDX推進に貢献していきたいと考えています。
ビジネス映像メディア「PIVOT」での紹介
Bakusoku.AI の活用と現場 DX の取り組みが紹介され、同製品のデモや機能に加え JA 東びわこの土居さんによるインタビューも公開されています。
動画 URL:https://youtu.be/K7_6VawyR8k
導入企業
| 企業名 | 東びわこ農業協同組合 |
| URL | https://www.ja-higashibiwako.jp/ |
| 所在地 | 〒522-0223 滋賀県彦根市川瀬馬場町 922-1 |
| 組織概要 | 組織概要 営農指導事業、金融事業、購買事業、販売事業 他 |
| 事例公開日 | 事例公開日 2026年09月28日 |
